お香は「嗅ぐ」のではなく「聞く」

着物

「私一人で香を聞くのはもったいないので池裳苑で一緒に聞かせてもらえませんか」

とメッセージをくださったのはお香を30年以上もされているお客様のSさまです。

お稽古がお休み中なので、池裳苑(岐阜での着物の展示会)でお香を聞かせていただけることになりました。

 

 

お香は「嗅ぐ」とは言いません。

香炉から心を傾けて香りを聞く、心の中でその香りをゆっくり味わうという意味で「聞く」と言います。

 

 

 

香木は、心地よい芳香を持つ木材のことで薄片に削ったものを加熱して香を楽しむのに用いられています。

中でも沈香(じんこう)と白檀(びゃくだん)が有名です。

 

 

沈香は、ジンチョウゲ科の常緑樹の樹皮に傷がついたりして出た樹液が固まリマス。それが長い時間をかけてその成分が変化し、特有の香りを放つようになったもののことです。

 

 

沈香は自然界の偶然による産物で、人工的には作れません。

さらに出来るまでには50年、品質の高いものでは100年〜150年かかると言われています。

 

お香は炊いた後は灰になって無くなります。

現在ではワシントン条約で絶滅の危機にあるものとして指定され、乱獲を防いでいる貴重なものです。

 

 

植物由来のいろいろなお香があります。

 

香道では沈香を産地によって6種類に分類した「六国」匂いの特徴で味覚になぞらえて「五味」甘・酸・辛・苦・鹹(しおからい)の組み合わせであらわされます。

 

 

「伽羅(きゃら)」ベトナム産 辛味、酸味、苦味を合わせたたおやかな味 香りの中では最上級 古ければ古いほど品質が良い

「真那伽(まなか)」マラッカ産 無し

「真南蛮(まなばん)」インド東海岸のマラバル産 甘味

「寸聞多羅(すもたら)」インドネシア、スマトラ産 酸味

「羅国(らこく)」タイ産 甘味

「佐曾羅(さそら)」インドのサッソール産 辛味

 

こんな小さな木片で何千円、品質の良いものは天井知らずの値段がつきます。

 

 

香炉の灰の上には顕微鏡で使うプレパラートのような薄いガラスをのせ、その上に小さな香木を乗せます。

中に埋められた炭の温かみが灰を通してほのかに伝わり、良い香りが漂ってきます。

 

 

温度が低いと香は出ません。熱すぎると焦げた香りになってしまいます。

 

香りと聞くときは右手の掌をふっくらと香炉に乗せその中に香りを閉じ込めます。

 

香りを嗅ぐときは左手の手のひらに香炉を乗せ、右手の掌で香りを閉じ込めます。

深く息を吸い込むようにして3回聞き、 吐くときは横を向いて息を逃がします。

香炉を傾けないように注意です。

 

 

以前に、3回ほどお香を聞いたことがあります。

お香を聞き分けることに集中するとマインドフルネス効果があって頭がスッキリします。

五感のうちでも唯一脳と直結しているからです。

 

 

京都で最も老舗の「山田松香木店」で聞香体験、Sさまと一緒に行きます。

8月4日(金)ご一緒しませんか。

2名さま限定です。

 

 

15時からですが、その前に他のお香屋さんにも寄ります。

大好きなイタリアンランチをゆっくりしたいので、サロンへは10時半集合です。

着物を着て行かれる方は着付けもします。

お問合せからメッセージくださいね。

 

 

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またはアマゾンで手に入ります。

 

 

 

山本由紀子

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明治創業、岐阜の山本呉服店に生まれ着物に囲まれて育つ。大学時代を京都の親戚で過ごし金沢の呉服屋さんで勤め山本呉服店入社、代表取締役。雑誌商業界などで「売らず...

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