「虫干し」は「虫除け」より「干すこと」☆きものがたり6
「なかなか着物の虫干しができないので、防虫剤だけ入れ替えているわ。あとはタンスは見ない」お客様が時々言われます。
気にかけていらっしゃるのはとてもいいことですが、大切な着物を守るには「虫干し」が必要です。(写真はきたのねこさんのブログからお借りしました)
絹は防虫剤より何倍も湿気対策の方が大切です。
正倉院の「曝涼」に代表されるように、昔の大切な着物や文献を守るために風を通すことは、多湿の日本では重要です。この作業のおかげで空調設備がなかった時代を超えて千年もの長きにわたって保存してこられたのでしょう。
文献など紙は虫に食われてボロボロになることはありますが、絹の着物は虫が食べることは稀です。
むしろ気を付けなければいけないのが「湿気」によるカビです。
よく見かけるのは着物の裏が黄色くなったり、柄のように茶色い斑点が付いたりします。汚れと思われがちですが、これはカビです。匂いを嗅ぐと湿気臭い時が多いです。
では着物の湿気はどのように取り除いたらいいのでしょうか。
[いつ]
昔から「土用干し」と言って、夏の土用にしました。梅雨から夏には湿気が多いので真夏の安定した晴天に干したものです。また正倉院の「曝涼」は秋に、どちらも乾燥に適した時期にされてきました。
時期を問わず、2日晴天が続いた次の日にやるのもいいです。
時間は10時から14時くらいが適しています。早朝や夕方は湿気が増えるので避けます。その日に片付けられなければ1、2日干しておいて畳んで仕舞うのは14時までにするといいでしょう。
[場所]
直射日光が当たらない、風通しの良い部屋でします。
[どのように]
着物ハンガーにかけて吊るします。裏向きにかけた方が色焼けなどを防げるのでいいでしょう。
マンションなど吊るす場所がない場合はタンスの引き出しなどに引っ掛けます。着物ハンガーがない場合、何時間でもないので洋服のハンガーでも大丈夫です。
畳むのが面倒な方はタンスから文庫(着物を包んである紙)を出して紙を広げておくだけでも、やらないよりはずっと効果はあります。
[その間に]
タンスの扉は全開にして、引き出しは掃除機をかけ空拭きします。
文庫紙が茶っぽくなっていたりポツポツ斑点が入っている場合は新しいものと取り替えます。
せっかくの機会なので、干した時に着物の整理をしましょう。
そのやり方は・・・
つづく
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