着物のTPOとコーディネートの考え方☆夏のパーティーでMCをされる場合

お見立て

「お世話になった方の還暦パーティーの司会を仰せつかりました。7月下旬ですが、着物でという選択肢を今から考えても間に合いますか?」

とメッセージをいただいたのはフィナンシャルプランナーであり、保険のお仕事をされていらっしゃる金田京子さんでした。

5月下旬でしたので、10日後に京都で開催の展示会「京裳苑」にお誘いしました。

 

 

そこで、着物選びに私が考えたことです。

・季節

7月下旬は着物は薄物(透ける素材)帯、帯揚げ、帯締め、半衿すべて夏物

・還暦パーティー 

お祝いの気持ちを着物で表す、華やかな場所 →  訪問着 付下げ 色無地 小紋(場所による)

・立場 

MC(司会者)→  主役を超えてはいけない、引き立てる役(主役が何を着られるかわからない)

 

とは言っても 注目を集める半主役

その中にあってオシャレな好感を持たれる装いにしたいと思いました。

 

[着物のカテゴリー選び]

主役の方が何を着られるか分からない、出席者はほぼ洋服の中で、訪問着や付下げは浮くように思いました。それよりワンピース感覚でオシャレな無地がいいかな。

全くの無地(例えば縮緬の何もない無地)では正式すぎて面白くない、後々着ることも憚られる。一色だけど織などで柄に見えるものが良いと思いました。

 

[着物の色選び]

金田様は可愛らしいイメージの方ですから甘い色(暖色系)もお似合いなのですが、今回のお役目からすればキリッとした印象を与える寒色系の方が良い、

季節的にも爽やかさを感じられるブルー系が良いかな。

でも伝統的な水色ではなく、洋服的な色合いがいいかも。

 

 

[帯選び]

お祝いの気持ちを込めてきちんとした装いにする。帯は伝統柄の夏袋帯が良い

 

 

[帯揚げ帯締めのコーディネート]

帯揚げ、半衿は「絽」(夏物) 帯締めはレース(夏物)

 

基本的に多くの色は入れない、全体をスッキリまとめる。

帯締めに少しだけ「赤」を入れて還暦らしく、

パーティーだから半衿にはワインの柄でキラッと光るラインストーン入りをご提案しました。

 

 

[長襦袢]

小千谷(新潟県の産地)の麻の長襦袢をお勧めしました。

サラッとした肌触りでとても涼しく、半衿をつけたまま簡単に家で洗えます。

3年ほど前に開発された麻の長襦袢生地は糸が細くてしなやかです。シワにもなりにくく私も着ていますがとても快適です。

 

 

全体のスタイリングはこんな感じです。

色はブルー一色、洋服ばかりの会場でも馴染みやすい色合いです。

着物の模様に見える部分は織で表現されていて、夏物なので少し透けます。

 

 

「たくさんの中からどうやって選ぶのかしらと心配していたけど、選んでおいてくださったので迷いませんでした」

金田様は「コレ一択」で気に入ってくださいました。

呉服屋冥利に尽きます!嬉しかったです。

 

 

 

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山本由紀子

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明治創業、岐阜の山本呉服店に生まれ着物に囲まれて育つ。大学時代を京都の親戚で過ごし金沢の呉服屋さんで勤め山本呉服店入社、代表取締役。雑誌商業界などで「売らず...

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