「母が持たせてくれた大島の着物が着たい」帯を合わせに京裳苑へ

「紺色の大島の着物があるので着たいんですが、帯を合わせて欲しいんです」
と京都で開かれる着物の祭典「京裳苑」に来てくださったのは福島県いわき市で素敵な文具屋さん「パピルス」を経営されている渡邊浩子さんでした。いわき市からは特急で東京へ1時間、そこから新幹線で2時間、お家から乗り換え時間も考えると5時間の道のりです。
ご自分の大島紬の着物を持って京都へきてくださいました。

浩子さんは日本画を描かれていて県展にはいつも入賞され全国展にも入賞されています。
結婚される時は朱色やエンジ色の帯が合わせてありました。
その帯を合わせると一気に昭和へ逆戻り。古っぽくなってしまいます。(いや、それが良いと言われる方はそれでいいのですが)
800畳もある広い会場、みやこめっせで開かれる「京裳苑」では職人さんたちが丁寧に作られた着物や帯が見渡す限り展示してあります。
大島紬に合わせる帯は、九寸名古屋帯(塩瀬などの染め帯や織の帯) 八寸帯、シャレ袋(金銀が入らないおしゃれ用の袋帯)などがあります。
基本的に金銀が入らないもの、おめでたい吉祥文様はNGです。
実は、帯は着物に合わせるものではありません。
着る人の個性に合わせるものです。
その帯は他の着物にも不思議と合います。着物は譲り受けたものでも、着られるのです。
作家さんはそれぞれのブースに展示し社長さんまたは制作責任者の方が説明してくださいます。
作風がいろいろ特徴があって、柄も本当に選びたい放題です。
1) まずは会場のあちこちから「いいな〜」と思ったものを集めます。
2) 持ってきていただいた大島紬を着て帯をその上に当てて、帯揚げ帯締めも合わせて行きます。
3) 私たちコーディネートのプロがお似合いになるものを次々と合わせてお見せします。
4) 鏡に映った着姿を見て、好き嫌いで選べばいいのです。
選ぶコツは 鏡から2、3m離れて 全体のバランスを見ることです。
画家さんである浩子さんが選ばれたのは着物に馴染む紺色のシャレ袋帯でした。
同じ色で合わせることで上半身と下半身を分断せず縦のラインが強調され、スッキリ見えます。
帯揚げは濃淡で水色を入れました。
現在は、99パーセント以上の人が洋服です。色のコーディネートは洋服で見ても心地よい色合わせでなければいけません。着物はこれでいいのよではダサく見えてしまいます。
着物と帯を同じ色にされた浩子さんの色合わせはとってもいいお好みです。
30年前の大島には赤い八掛がついています。それだけで一気に昭和へ戻ってしまいます。
八掛を変えるようアドバイスさせていただきました。
八掛(裾や袖口の裏側の布)の色を変えるとおしゃれになります。
浩子さんにはグレーをお勧めし、縫い直しました。
着物の洗い、縫い直し、サイズ直しも着る方に合わせて承ります。
由紀子さん ありがとうございます!
生まれかわって大島紬が届きました。
西陣帯 帯締め 帯揚げもとても素敵です。
たくさんアドバイス頂き、
心から感謝申し上げます。
帯揚げ 帯締めへの
ご配慮まで頂きありがとうございます。
早速そのようにしてみますね。
由紀子さんに選んで頂いて本当に良かったです。
素敵な逸品です!
オシャレして、これから人生楽しみま~す。

「自分の絵を見に行く時も着物を着て行きたい」と浩子さん。
お家にある着たいと思う着物に帯を合わせませんか。
昔の帯をそのまま合わせるよりずっとおしゃれ度が上がります。
昔の帯は固くて結びにくくて、長さも短いです。
帯を変えると、軽くて結びやすくなります。
[第48回 京裳苑のご案内]
京都 みやこめっせ
5/ 23 (金)12時 〜 16時
24(土)10時 〜 16時
25(日)10時 〜 16時
着物の本場、京都みやこめっせで開催の京裳苑(きょうしょうえん)
京裳苑は予約制です。みてみたいという方は、こちらからご予約ください。
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