色を挿していく「彩色」は友禅の花3☆「染の百趣 矢野」見学記6

きもの豆知識

「彩色」は糊糸目で輪郭を描いた線の中に塗る絵のように色をさして行く作業です。

この仕事は女性が多いです。

染料がたくさん用意されています。

 

着物の染めを依頼している「矢野」さんから大方の色の指示はあるようですが、

最終的には色を塗られる人の感覚に任されます。

 

 

「そのお店(会社)の商品ならばこの感覚だろう」というのが阿吽の呼吸でわかっているのです。

任される方のセンスって大事ですね、責任重大です。

 

染め上がった上前の柄をすぐ横に置いて、確認しながら染めていきます。

 

 

着物は幅40センチ弱の布を縫い合わせてできています。

いわゆる「絵羽物」と言われる留袖や訪問などの着物では広げた時、1枚の絵になります。

 

訪問着や留袖は着物を広げると一枚の絵のようになっています。

 

仮縫いしてある状態です。縫い目は左脇の縫い目です。同じ色柄が染めてあるので、買っていただいた後の仕立て時にきちんと合わせて本縫いします。

縫い目で柄が合うように設計されています。

 

もちろん色も縫い合わせた時に同じ色でなければなりません。

 

端の部分で縫い合わせて柄が合うようになっています。色も全く同じ色でないといけません。

 

 

横には染め上がった上前の1番大事な部分がかけてあって、そこに合わせる衽(おくみ)を染めていらっしゃるところでした。

その色を見ながら合わせて行きます。

 

 

その日の温度や湿度によっても左右されますし、乾いた後の色と濡れている時の色とは違います。それを合わせていく事はかなり難しいことです。

まして「ぼかし」等と言う曖昧なものまできちんと合わせていくのは大変な技術です。

 

 

ほんとに職人さんの仕事は淡々とこなしていく能力がないとできないですね。

 

次は金加工の職人さんへ

続く

 

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山本由紀子

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明治創業、岐阜の山本呉服店に生まれ着物に囲まれて育つ。大学時代を京都の親戚で過ごし金沢の呉服屋さんで勤め山本呉服店入社、代表取締役。雑誌商業界などで「売らず...

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