お婆さんの文句に感謝☆お花を生けるたびに思い出すこと
「一生、お婆さんのようには生けられないな〜」
5月4日、5日の揖斐まつりを前に店のウインドーに山(お祭りの山車)の模型を出し、花を生けました。
ドウダンとアヤメとカラー、そしてホトトギス 新緑の季節らしく緑と白で爽やかにまとめました。(つもり・・)
「ホトトギスは花の時期が短くて2週間くらいしか咲かないの。あとの時期は葉っぱだけだけど、お花のお稽古にはよく使う花だよ」
学生時代、お世話になった京都の親戚のお婆さんは、本能寺未生流と嵯峨御流の2つの流派で師範の免状を持っていた人でした。私はお婆さんが最初に習っていた本能寺未生流の先生に習いなさいと言われて通うことになりました。
その初めてのお稽古の花が「ホトトギス」だったのです。
家の中には一年中、花展のような素晴らしい生花が7杯も8杯も生けてありました。
毎日一緒に住んでいると当たり前になってしまって、素晴らしい環境にいたことに感謝する気持ちもありませんでした。
むしろ、お花のお稽古が大嫌いだった私にとっては「面倒なことを言われる」煩わしいタネでしかありませんでした。
・お稽古が終わってもバスに乗って花を持ち帰らねばならない
・家でも生けなくちゃいけない
・花器を用意し、水を張り、生けるのが面倒
・ゴミの始末をしなくちゃいけない
・
・
我ながら、よくもゴタク(文句)を並べるもんだと呆れるくらいです。
後にはきっと必要だからと仕方なく習っていたお花だけど、今になってみれば「芸は身を助ける」って言葉が浮かびます。
そんなに長く習っていたわけでもなく、熱心だったわけでもないけれど、
「お花を生ける本質とキモ」が分かったのはひとえにお婆さんの「文句のお陰」だと感謝しています。
お花の生け方を通しておばあさんに教えられたことは「相手ファースト」でした。こちらもみてください。
京都のおばあさんが教えてくれたお花の生け方1☆「品格の教科書」に載らなかった話2
京都のおばあさんが教えてくれたお花の生け方2☆「品格の教科書」に載らなかった話3
今日も生けながら、おばあさんに言われたことを思い出しました。
花を生け終わっても「最後の始末まできちんとしなさい」ということでした。
・水にゴモク(ゴミ)が浮いていてはいけません。
・花器の周りにゴミや水がこぼれていてはいけません。
その上、まだチェックが入りました。
「ゆきちゃんところは水が高いんだね」
? ? ? ム、ム、おばあさんところの水ですけど・・・
何を言われているかさっぱり分からず、この時ばかりはポカーンとしていました。
お花を生ける時は水は剣山の上まで、少ししか入れません。
「生け終わってから花器いっぱいに水を入れてあげなさい」ということだったのです。
たくさん水を入れておけば、毛管現象で花の茎にも自然に同じ位置まで水が上がります。
花が長持ちするというのです。
私が「水をケチってたくさん入れなかった」と皮肉ったのでした。
そういうのっていつまでも覚えていますよね。
重ね重ね、おばあさんに感謝する日々です。
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見て、触れて、着てみれます。
「京裳苑」で着物を思いっきり楽しみましょう。
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京裳苑とは
京裳苑は毎年6月に京都、平安神宮前の京都メッセで開催しています。
今年で47年目です。
ひたすらお客様の指示があって続いてきました。
何百条もある広い広い会場に、毎年20数社の染屋さん、機屋さん、小物屋さんなどが一堂に出品していただきます。
京裳苑ではさまざまな着物や帯を見放題、選び放題、そして実際に着てみることもできます。
自分の着物を持ち込んで着てみて、帯を合わせるなんてこともできます。
着物好きにはたまらない展示会です。
6月2日(金)3日(土)4日(日)
京都、平安神宮前 京都みやこめっせ 1階
主催 株式会社 山本呉服店
「みやこめっせ」へのアクセスはこちらをクリックしてご覧ください。
[モデルコース]
12:30〜15:40 みやこめっせ集合。着物展示会で着物との出会いを楽しめます。
15:40〜16:00 祇園へ移動
16:00〜18:00 祇園川上で会席料理
18:00 祇園にて解散
自由に祇園の散策をお楽しみください。「由紀子のぎおん推しマップ」を差し上げます。
*3日、4日は10時から会場へ入ることもできます。午前からいらっしゃる方はメッセージしてください。
会費 おひとりさま 18,000円
ご予約の方のみのご案内となりますので、こちらからメッセージをください。
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