京都のおばあさんが教えてくれたお花の生け方3「最後まで手を抜かない」☆「品格の教科書」に載らなかった話2

「品格の教科書」に載らなかった話

「お客さまの目線で花をいけなさい」とおばあさんから言われて、自分の誤りに気がついた私はすぐに生け変えました。

今度はいっぱつ合格!

物事の本質がわかれば方法は簡単です。

 

 

茎の切れ端や葉っぱなどゴミを捨てて、はい終わりと思ったら・・・

「ゆきちゃん、まだ終わってませんよ」

 

おばあさんに引き止められました。

なんてことでしょう?!

 

「まだやり忘れたことがあるでしょう」とおばあさん。

はぁーー?

 

「ゆきちゃんはお水が高いね」

 

???

 

「水が高い」って何が言いたいの?

 

生粋の京都の人は直球で文句を言いません。

おばあさんに3回言われましたが、??

『それでもわからないの?』と呆れ顔で見ているおばあさんに

「どういうことですか?」と聞き直すしかありませんでした。

 

「『お水が高価だから、ゆきちゃんはお花にあげる水をケチるんだね』という意味です。」

 

 

水盤(花器)にはお水が入っていて花の切り口は水に浸かっています。

それで十分と思っていました。

 

最後にたっぷりお水を入れてあげれば茎の中でも同じ高さまで水が入って花が長持ちするのだと教えてくれたのでした。

 

 

しぶしぶまた水を汲みに行って入れました。

『今度こそ終わった』

と思ったら

 

「まだ終わりではありませんよ。」

 

まだあるのーー?

 

水の上に浮かんだ五目(ゴミ)をこのままにしておくのですか、どう見ても汚いでしょ。

 

最後に五目をキレイに取り去っておくものです。

 

はいはい、

ゴミが浮いていたら玄関の掃除をしていないのと同じです。

 

 

あー、めんどくさい

その時は正直、そう思いました。

 

その時の私は不服そうな顔をしていたと思います。

でもね、言われた事はちゃんと頭に残っているんですね。

 

 

最後の締めまできちんとしてこそ、終わったと言えるのでしょう。

 

 

お花も十分に水が飲めなくては熱中症になっしまいます。

元気な笑顔でお客様をお迎えするなんてことできませんものね。

 

 

おばあさんは先生も教えてくれなかった「お花の生け方の極意」を体型的に教えてくれました。

 

それによってお花の生け方は何年分か飛び級で上達したと思います。

そして後に、店のディスプレイをする時にもとても役に立ちました。

続く

 

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品格の教科書」は全国の書店さん、

またはアマゾンで手に入ります。

 

 

 

山本由紀子

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明治創業、岐阜の山本呉服店に生まれ着物に囲まれて育つ。大学時代を京都の親戚で過ごし金沢の呉服屋さんで勤め山本呉服店入社、代表取締役。雑誌商業界などで「売らず...

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