「品格の教科書」P42右を上にすることが、物を包む時の作法です。
品格の教科書
「裸で持って行ってはいけない」
お金も、物も、必ず包んで持って行くようにと父は口癖のように言いました。
「裸」という表現は、物もお金も「人」に見立てて大切にするよう戒められたと思います。
「包む」という行為そのもので気持ちを伝える意味があります。
それだからこそ、間違った方法で包むと失礼なことになるので要注意です。
物を贈るとき包装紙に包みますが、その紙にも意味があります。
いちばん格式があるのは「奉書紙」と言われる白い和紙です。神様に奉納するものや結婚式における結納は奉書紙で包みます。
包んだ「品物を清める」という意味があります。
日本の正式な贈答の形は本当に美しいです。
キチンとした包装はオーラさえ感じさせます。
私が「品格の教科書」を出版しお世話になった方に献本する時、奉書紙に包んで紅白の水引をかけて熨斗をつけてお送りしました。
献本させていただいた大久保寛司さんは
「自分の書籍は仏壇でした。 由紀子さんのは 神棚にしました。
プレゼントしていただいた本を神棚に上げたのは、由紀子さんのが初めてです」
光栄なお言葉に震えました。
「贈答の形に訴える力」が宿ったのだと思います。
何もかもがカジュアル化している世の中ではちょっと異質に映ったのでしょう。
包装紙の包むときは、裏側で重ねた時「右を上」にします。
ガラス戸や戸棚、障子に襖(ふすま)も同じように、向かって右が上にはめるものです。
金封や目録も向かって右が上です。
「輪を右にすればいい」この法則をわかりやすく父が教えてくれました。
品物(戸や障子)も人間の体に見立てれば、着物の打ち合わせと同じ「左を上」に重ねれば良いのです。
着物は左手見ごろが上になって重ねますので、同じです。
実は「左が上位」なんです。
悲しみ事、法事とかお葬式に関する時は逆にします。
そう言った時に持って行く菓子箱の包装も反対になります。
悲しいことは、いつもと違うことであり、「繰り返さない」「この時限りにする」という意味なのでしょう。
「何のために贈るのか」の意味はその方との関係性を大切に思うため。
「ありがとう」とか「お世話になりました」とかの気持ちを送ると言うことをくれぐれも忘れないようにしたいものです。
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いつも興味深い話題、ありがとうございます。
今回の「奉書紙」「のし」「水引」の話ですが、「奉書紙」についての意味は、今回初めて知りました。
当店では「結納品水引飾り」のご注文を受けていましたが、10年近く前を最後になくなりました。
「需要が消えた」と言ってしまえばそれまでですが、このような意味があって、お互いの家が結納を交換すること
もう少し前に知りたかったです。ただ、20年前に同じ内容を耳にしてもスル-していただけかも知れませんね。(;^_^A